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計画的メンテナンスによる装置ライフサイクルマネジメントと安定供給の実現 機械 2021.04.22

昨今、医薬品業界においては各国の規制当局によるGMPの指導・強化により、「製品の品質維持・向上」や「製造プロセスの安定化」を目的とした設備保全が強調されています。
※GMP (Good Manufacturing Practice)・・・医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準

計画的な設備保全(計画的メンテナンス)により、突発的なトラブルを回避し、高品質で安定的な生産が実現できます。

故障の主な要因として、下記の3つが挙げられます。

・運用条件(主に高稼働率による消耗・劣化)
・設置環境(温度・湿度等による腐食・劣化)
・整備放置(消耗部品の放置による劣化)

突発的な故障は予測が難しく、日常点検を欠かさず行っていても発生する可能性があります。
故障の発生を未然に防ぎ、発生した場合の被害を最小限に抑えることが生産停止のリスクを回避するための重要な課題です。

トラブルは大きく分けてソフト系(制御系)/ハード系の2種類に分かれます。

ソフト系(制御系)トラブルは予兆が無く突然発生する為、計画的な予防保全が重要です。

ハード系のトラブルは異音や振動など何らかの予兆がある場合があり、定期的な点検が重要です。また、保守パーツをストックしておけば、復旧までの被害を軽減出来るケースもあります。

トラブル発生時、当社技術員は出来る限り最速でお客様の製造現場へ伺うようにしておりますが、人員が到着しても代替部品の手配が間に合わなければ、部品の製作完了まで装置を復旧させる事は出来ません。

想定外のトラブルに見舞われ、復旧に時間を要した際の損失は非常に重大です。

・製造計画遅延
・製品破棄
・メーカー修理費
・品質保証部門の出動
・余分な人件費
・現場オペレーターの精神的および肉体的負担増

このような損失を防ぐために、当社では計画的メンテナンスを推奨しています。

突発的なトラブルに対して100%のリスク回避は出来ませんが、計画的メンテナンスが最も有効な回避手段である事は間違いありません。

当社では長年の経験に基づき、1年に1度の装置点検を推奨しております。

当社技術員がお客様保有装置を点検し、該当装置の一般的な稼働データやお客様方での稼働状況等を照らし合わせた上で、予防保全に必要な主要部品の交換推奨年数、概算金額を記載した点検書をご提出致します。
もちろん装置本体だけでなく、制御盤や空調機等の付帯設備もケア致します。

それらを1年、5年、10年、15年と長期スケジュールに落とし込んだものが計画的メンテナンスです。

設備投資計画との兼ね合いもありますが、装置の劣化状況や稼働状況によっては装置更新を行った方がコストメリットが生じるケースもあり、早期に更新計画が立てられるメリットもあります。

そうする事で、生産設備におけるライフサイクルマネジメントを考える事ができます。

また、装置部品の中には制作に3か月以上を要する長納期部品や、破損すると即生産停止に直結する部品もあります。

部品メーカーの生産・在庫状況や災害・疾病等の社会的状況により、突発的な納期遅延が起こるケースもあります。
当社では長納期部品や生産停止直結部品を予備推奨品とし、在庫を持ち備える事を推奨しております。

そして、バリデーションを成立させる上で重要なキャリブレーション(計測器の校正)の実施も必要不可欠です。
当社のキャリブレーションは標準機器と計測器との単なる比較校正だけではなく、
装置構成全体を把握した上でループ校正を行いますので、計測機器以外のハード的な異常個所も容易に発見出来ます。
キャリブレーションについても、1年に1度の定期校正を推奨しております。

装置の故障発生は予測が非常に難しく、日常点検を欠かさず行っていても突如訪れます。
突発的な故障を如何に減らすか、また故障した際、如何に最小限の被害に抑えるかが非常に重要です。

それらに有効なのが計画的メンテナンスであり、以下のメリットがあります。
・突発的トラブル回避による安定生産の実現
・メンテナンス/部品交換/装置更新の早期予算化
・生産計画を圧迫しない余裕を持ったスケジューリング
・生産装置のライフサイクルマネジメント(長寿命化,更新時期の最適化)

そして何より、「安定供給」という患者様・生活者様との大事な約束を守る事ができます。

装置が止まってから、部品が壊れてからでは被害が大きくなるケースもあります。
当社技術員がお客様の生産現場へお伺いし、計画的メンテナンスをご提案致します。
担当営業、もしくは下記フォームよりお気軽にお問い合わせ下さい。

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