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フロイントグループ創業からの知識の海

スクリーン式分級機 ターボスクリーナーが選ばれ続ける10の理由 機械 2023.02.13

FREUND KNOWLEDGE OCEANをご覧頂きありがとうございます。
フロイント・ターボ株式会社※ 開発部 試験課の駒形です。

本記事では、発売から40年以上経ってもお客様から選ばれ続ける、弊社オリジナルのスクリーン式分級機 TURBO SCREENER(ターボスクリーナー)をご紹介いたします。

振動篩による繊維状異物の除去や目詰まりにお困りの方、空気分級機の分級性能や原料ロスにお悩みの方、今後設備更新の際の候補として、是非弊社のターボスクリーナーをご検討頂ければ幸いです。

記事の最下部にて、分級試験の評価方法などを記した、分級に携わる技術者向けの資料をダウンロード頂けます。是非最後までお読みください。

※ 2024年6月1日付で、会社ロゴがフロイントグループのグローバルロゴへ変更されます。記事画像内の会社ロゴは、旧会社ロゴとなります。

駒形 俊哉(Komagata Toshiya)

フロイント・ターボ株式会社
開発部 試験課

フロイント・ターボ株式会社入社後、粉砕加工課にて受託粉砕業務を担当。
2014年 試験課へ移動し試験設備の組立・運転・洗浄等に従事。
現在ターボスクリーナーの試験を担当し、年間100件弱の試験を実施。

ターボスクリーナーは樹脂製円筒スクリーンの内部でローターブレードを高速回転させることにより、粉体原料を効率良く連続的に高精度で篩い分けることができる分級機です。

ローターブレードの高速回転によって攪拌された原料から生み出される「スクリーンの振動」を効果的に利用することを最大の特徴とし、凝集性・付着性が高い粉体や、嵩比重が非常に小さい粉体など、振動篩や空気分級機で分級困難なものを短時間で多量に、目詰まり無く篩い分けることができます。

1980年頃の分級機市場では金属製スクリーンの平面型振動篩が圧倒的多数を占めていましたが、弊社が開発したターボスクリーナーは運転操作やメンテナンスが容易であると同時に、構造もシンプルなため分解洗浄性にも優れており、市場に出てから既に40年を越えている現在でも高評価を得続け、多くのお客様にご利用いただいている商品です。

なぜ発売から40年以上も高い評価を頂けているのか、その10の理由をご紹介して参ります。

毛髪や繊維状の異物はローターブレードの回転による遠心力で、スクリーンの目開きに対して垂直になりにくく、短時間のうちに粗粉とともに排出されます。

以上の理由により、振動篩が苦手とする毛髪や繊維状異物の除去に高い評価を得ており、医薬品・食品業界にも多数の納入実績があります。

ターボスクリーナー内部にセットされたスクリーンは、高速回転するローターブレードによって撹拌された原料の衝撃により、連続的な振動が発生します。その振動によって自動的に目詰まりを解消(セルフクリーニング)しながら連続的に篩い分けることが可能です。
そのため、一般的な振動篩が苦手とする付着性や凝集性の高い原料粉体や、球状粒子も目詰まり無く分級が可能です。

ターボスクリーナーの機内に供給された原料は、ローターブレードの高速回転によってスクリーン全面に分散されるため、スクリーンの全面積を使用して効率よく分級することができます。
また、遠心力を与えられてスクリーンに衝突するため、スクリーンを通り抜けようとする力が大きく働き強制的に分級されます。
さらに、原料粉体とスクリーンの接触回数が多くなるためスクリーンを通過するチャンスも多くなります。つまり「スクリーン全面積の使用」と「遠心力による強制分級」と「スクリーンとの接触回数」の相乗効果により非常に高い処理能力を得られます。
スクリーン面積が同じ一般的な振動篩の5倍以上の処理能力を発揮します。

ターボスクリーナーへ投入された原料粉体は、高速回転するローターブレードとの接触による衝撃や、撹拌されてスクリーンへ衝突する衝撃によって、凝集状(指で軽く解れる程度)の原料でも解砕されながら連続的に篩い分けされます。そのため大きく歩留まりが向上します。
さらに、振動篩では網上で徐々に造粒されてしまうような付着性・凝集性が高い粉体(酸化チタン・酸化ニッケル・乳糖・そば粉・小麦粉 など)でも、スクリーン内で強力に攪拌・分散されるため瞬時に分級できます。

振動篩や超音波篩では、原料がスクリーンに接触して通り抜ける時に作用する力は、主に原料の自重に大きく依存してしまうため、嵩比重の小さい原料(例:0.1g/cc)はスクリーンを通過しにくく分級が難しいことが多くあります。
それに対してターボスクリーナーは、ローターブレードの高速回転によって遠心力が与えられた原料が強制的にスクリーンへ衝突するため、嵩比重の小さい原料(軽質無水ケイ酸 など)でも分級が可能です。さらにローターブレードの回転数をコントロールすることにより、原料粉体の嵩比重に合わせた最適な分級条件を設定できます。

ターボスクリーナーの基本的な構造は、本体横のガイドロッドに各パーツを差し込み、最後にボルトで固定するだけという非常にシンプルな構造です。分解及び組み立ては作業者お一人で5分もあれば簡単に行うことができ、その際に工具が必要な部位は軸端部のボルト一本のみです。
さらに、取り外した部品は全て丸洗い可能な上、組立時に間違えることが無い構造になっており、部品点数の少なさも併せて、非常に優れたメンテナンス性を誇ります。

樹脂製のスクリーンは、SUS製枠へ取り付けた状態のユニットとして機内へセットされます。そのため、予めスクリーンユニットを準備しておけば、交換はユニットの入れ替えだけで1分程度で完了します。スクリーン交換にほとんど時間がかからないため機械を停止する時間を圧倒的に短縮でき、生産効率が向上します。
また、樹脂製スクリーンのSUS製枠への取り付けも簡単で、作業者ご自身により10分程度で行う事ができ、スクリーン交換のためにメーカーへ返送する必要がありません。テンションゲージを使用することで、作業者によるバラツキが少なく、いつも同じコンディションでセットできることも大きな特長の1つです。

一般的な振動篩では、機器の大半を占める巨大な駆動部を振動させて分級を行う構造上、振動や騒音といった問題が発生します。それに対し、ターボスクリーナーでは駆動部の回転運動により分級を行う構造のため、振動篩と比較にならないほど低騒音・低振動です。
また、供給口・排出口をヘルールまたはフレキチューブなどで接続する事で気密性の高い分級が可能であり、気密性の高さから作業室内への発塵が抑えられ、よりクリーンな作業環境へ改善できます。

ターボスクリーナーが高い性能を発揮する最大の理由は「スクリーンの振動を効果的に利用して分級する」ことです。
振動フィーダーやスクリューフィーダーなどの定量供給機を使用して原料粉体を供給することにより、安定かつ良好なスクリーンの振動を得られ、高い分級性能と処理能力を獲得できます。原料粉体は自然落下により供給し、スクリーナー機内で分級された後も自然落下で排出されるため、ブロアー・サイクロンなどの付帯設備は不要です。

一般的にスクリーンを使用した粉体の分級は、原料の一次粒子径が小さくなるほど付着性・凝集性の影響を大きく受け、分級が困難になります。
それに対してターボスクリーナーは、ローターブレードの高速回転によって原料に遠心力を与えてスクリーンへ衝突させ、その衝撃が付着性・凝集性の影響を上回りスクリーンを通り抜ける力として作用するので、50μm以下の微細な目開きでも分級が可能です。

ターボスクリーナーは医薬品・食品・化粧品・化学品と幅広い採用実績があり、
多彩な原料での分級例がございます。

今回はほんの一例、医薬品関連の分級例をご紹介いたします。

金属コンタミを懸念するお客様には、接粉部をコーティングする方法のみが唯一の対策でしたが、コーティングでは嵌合部やネジ部等への施工ができない事や剥離の懸念がありました。

そこで、より信頼のおける対策として、接粉部における全ての部品の樹脂化を行いました。その特長をご紹介いたします。

1.摩耗などによる金属の混入を完全防止
「金属の混入を一切許さない。極限まで減らしたい。」
そんなお客様に最適なのが、この接粉部ALL樹脂仕様です。
読んで字の如く原料の接する経路内全ての部品を樹脂にする事で、原料との衝突や摩擦などにより発生する金属コンタミのリスクを極限まで減らしました。

2.金属腐食性の高い原料に
耐腐食性、耐薬品性の高い樹脂を使用する事で、金属では不得意とする塩化物や強塩基性原料を篩う事が可能になりました。

3.軽量化によるメンテナンス・ハンドリング性向上
樹脂製とする事で大幅な軽量化を実現しました。 
標準仕様(SUS製)では20kgを超える部品でも、樹脂製では5kg以下に軽量化。
分解洗浄・メンテナンス時の作業者の負担軽減や安全対策に寄与します。

4.納入機(標準SUS製)との互換性
現在稼働中のターボスクリーナーも、対象部品を交換することで樹脂仕様へ変更可能です。モーターや駆動機構はそのままに、接粉部の対象部品の交換だけで樹脂仕様へ。追加工の必要はありません。もちろん樹脂仕様から標準仕様(SUS製)へ変更することも可能です。
原料や生産条件に合わせて、SUS製と樹脂製をマルチにご使用いただく事も可能です。

弊社が製造・販売を行うスクリーン式分級機ターボスクリーナーが40年以上も高い評価を頂いている10の理由と、
金属コンタミのリスクを極限まで減らした、接粉部ALL樹脂仕様のご紹介いたしました。

ターボスクリーナーは横須賀にあるフロイント・ターボ本社にて、実機でテスト頂けます。
振動篩による繊維状異物の除去や目詰まりにお困りの方、空気分級機の分級性能や原料ロスにお悩みの方、お気軽にご相談ください。

また、下記より、分級に携わる技術者向けの資料をダウンロード頂けますので、是非お役立て頂けますと幸いです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました。
テストのご依頼やご質問など、下記よりお気軽にお問合せください。

キーワード: 分級 異物除去 医薬品業界 健康食品業界 食品業界 ケミカル業界

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