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【作業時間削減】SOTAX社製 全自動錠剤硬度計 AT50とデータ管理ソフトウェアq-docで実現するDX 機械 2023.12.12

皆さんは、打錠やコーティング後の錠剤硬度についてどの様な装置を使用して測定されていますか?
そして、どの様な方法でデータの記録・管理をしていますか?

今回は、当社が取り扱っているSOTAX社製の全自動錠剤硬度計と、21CFR part11対応のデータ管理ソフトウェアq-docをご紹介いたします。
現在手動で行っている試験やデータ管理を自動化し、DXの推進に取り組みませんか?

   

フロイント産業株式会社
機械事業本部 機械CS部 SE課

錠剤の強度(硬度・摩損)は固形製剤の品質特性の一つです。
この試験は、打錠後の錠剤がコーティングや輸送、調剤などの工程で欠損が起きると服用量の正確さを期すことができなくなるため、医薬品製造工程の中で品質管理として実施されています。

規制についてご紹介する前に、まず硬度測定の「不確かさ」について説明します。

硬度は重量のように1[g]の物は誰が測っても1[g]ではなく、測定方法によって結果に違いが生じます。
これは、荷重速度(荷重を掛ける速度)によって得られる結果が変化するためです。
つまり、手動や油圧・空気圧のように荷重速度が測定者や機器の状態によって変わる測定方法では、測定者によって結果が変わってしまうということです。
そのような方法では機器のキャリブレーション精度も測定者によって変わってしまいます。

これらの課題を解決するために規制が設けられており、測定結果の差が出ない方法が主流になってきています。
現在では錠剤硬度測定について下記のような規制やガイドラインがあります。
 ・USP[1217] TABRET BREAKING FORCE
 ・EP[2.9.8] RESISTANCE TO CRUSHING OF TABLETS
 ・第十八改正日本薬局法(参考情報) 錠剤硬度測定法
上記の中で当社が取り扱っている錠剤硬度測定装置はUSPとEPに準拠しています。

当社が取り扱っている錠剤硬度計は、スイスのSOTAX社で製造されています。
SOTAX社は1973年に創業し、50年以上にわたり医薬品業界に向けて高品質の錠剤試験ソリューションを提供してきました。
現在のSOTAX社の錠剤硬度計の技術の根幹は、1972年より全世界の医薬品メーカーに向けて錠剤硬度計を製造・販売していたDr.Schleuniger/Pharmatron社にあります。販売開始以来「信頼性」「測定精度」「操作性」を評価され、錠剤試験装置のベンチマークであり続け、2014年にSOTAX社に吸収されグループ入りしました。
当社は1976年よりDr.Schleunigerと極東エリアの代理店契約を行い、以来錠剤硬度計ビジネスのパートナーとして共に歩んでいます。

当社が扱っているSOTAX社製錠剤硬度計は全部で3ラインナップありますが、
今回は最上位モデルである全自動錠剤硬度計AT50を紹介いたします。

AT50は外形寸法(WxDxH)450 x 600 x 475mmとコンパクトな装置です。

最大の特長は自動運転機能です。錠剤をセットした後PCから運転設定を行えば、測定が終わるまで人手は必要ありません。一度の運転で最大10種類の錠剤を連続自動測定できるため、硬度測定につきっきりになっていた作業時間・工数の削減やヒューマンエラーの防止に繋がります。帰宅前に運転設定を行っておき、明朝出社時には測定が終わっているという使い方も可能です。

市場の約95%の錠剤に対応しています。それを可能にしているのはSmart Align(フラップ式)とAuto Align(ローラー式)の2種類の錠剤姿勢制御技術です。
丸錠などの、どの方向から測定しても径が変わらないものはSmart Align(フラップ式)、長手錠などの、短径・長径がはっきりとしているものはAuto Align(ローラー式)と、錠剤形によって最適な姿勢制御技術を使い分けることにより、測定時に錠剤が動いてしまうことがなく、安定的に高精度な測定を可能にしています。

また、錠剤の厚さ測定部にもTouch Controlという独自の技術を採用しており、最小限の接触で高精度に測定をする事ができます。接触する面積が小さいため、錠剤が測定部にくっついてしまう事もありません。

そして、分解清掃などのメンテナンス性も非常に高く、錠剤硬度測定部は、測定毎に自動でワイプ清掃が行われます。
日常の清掃は工具レスで行える点もメリットの1つです。
測定テーブル全体の清掃も専用工具1つあれば拭き掃除を行う事ができます。

2分ほどのプロモーション動画がございますので、是非ご覧ください。

SOTAX社の錠剤硬度測定ソリューションは装置のハード面だけでなく、データ管理や装置の制御を行うソフトウェア面でも優れています。

ソフトウェアq-docは21 CFR, Part 11に準拠した電子記録システムの運用に必要なすべての要件を満たしたソフトウェアです。

・セキュリティ(アクセス制限)
管理者/スーパーバイザー/オペレーター 等の権限階層の設定により、データ改ざんのリスクを排除します。
・測定データのプロテクション
測定データは自動的にSQLデータベースに保存され、編集や削除はできません。
・監査証跡
ユーザーによる全ての操作と変更は、監査証跡として記録されます。いくつかの基準(時間範囲、ユーザー、アクションの種類)に基づき検索することができ、必要に応じて検索結果の印刷やファイルとしてエクスポートすることができます。
・バージョン管理
製品又は測定方法を変更すると自動でバージョン管理され、あらゆる変更の完全なトレーサビリティを実現します。
・電子署名
特定のアクションに電子署名を必要とするように設定することができ、また、二重署名(Four Eyes)をq-docに実装することができます。

管理PCとの接続方法は、1台のPCと測定器を接続するSINGLE WORKSTATIONと、複数のPCと測定器を接続するNETWORK ENVIRONMENTがあります。
また、管理PCから御社のLIMSなどに接続することでラボ全体のデータ管理システムへ情報を統合することも可能です。
SOTAX社製品をはじめとする30以上の測定機のデータを取込むことができます。
各種試験結果は自動でアーカイブ・レポート生成され、q-docで一元管理することが可能です。

SOTAX社製の全自動錠剤硬度計AT50と、データ管理ソフトウェアq-docのご紹介を致しました。
測定結果のバラツキやデータ管理にお悩みでしたら、是非お問合せください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
テストのご依頼やご質問など、下記よりお気軽にお問合せください。

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