フロイントの機能性食品原料について ~サプリメント向け打錠用賦形剤のご紹介~ 添加剤 2025.08.28

機能性食品の市場は、近年、健康意識の高まりや高齢化社会の進展により、拡大傾向にあります。この機能性食品の中で、健康の維持や増進に役立つ特定成分を摂取しやすい形態にした製品を、一般的にサプリメントと呼びます。サプリメントには、錠剤、カプセル、顆粒、ドリンク、また最近ではグミなど様々な製品形態がありますが、日本国内においては、現状、錠剤が最も一般的な剤形といえます。
今回は、その錠剤を製造するに当たり、最も経済的な製造法である直接打錠法に最適なフロイントの機能性食品原料(食品用賦形剤)を紹介いたします。
- 乳糖グラニュー 特長
- イソマルトグラニュー 特長
- パーフィラー102 特長
- まとめ
他の乳糖賦形剤との錠剤物性の比較
単味処方の錠剤物性
L-カルニチン29%配合錠への使用例
グルコサミン70%配合錠への使用例
単味処方の錠剤物性
ラクトフェリン20%配合錠への使用例
アスコルビン酸80%配合錠への使用例
チュアブル錠への適用
流動層造粒法とは、流動空気により浮遊分散している粉体にバインダー(結合剤)液を噴霧して、粉粒体の凝集造粒を行う手法です(図1)。流動層造粒法について詳しく知りたい方は、「FREUND Academy 第3章*、第4章**」をご覧ください。
この製法に由来し、乳糖グラニューは空隙の多いポーラスな造粒物となり、優れた崩壊性と圧縮成形性を両立することができます。以上より、乳糖グラニューは硬度と崩壊速度のバランスの取れた錠剤を得たい、使用実績の豊富な成分の賦形剤を採用したい、などといった場合に最適な賦形剤です。

圧縮成形性と崩壊性のバランスに優れた錠剤が得られる
撹拌造粒法により製造される乳糖賦形剤は一般的に圧縮成形性に劣ります。一方、スプレードライ法により得られる乳糖賦形剤は圧縮成形性に優れる反面、崩壊性に劣る傾向にあります。これに対して流動層造粒法により製造される乳糖グラニューはそれら両面に優れますので、硬度が高く崩壊の速い錠剤を得ることができます。
優れた流動性
微細な乳糖結晶同士が緻密に造粒されているため、結晶乳糖などと比較して非常に優れた流動性を示します。
吸湿性が低くケーキング※1を起こしにくい
スプレードライ乳糖に比べて吸湿性が低く、経時的にケーキングを生じる可能性は極めて低いです。
※1 ケーキング:塊状になる現象
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結晶乳糖やスプレードライ乳糖と比べて、非常に崩壊性に優れており、圧縮成形性と崩壊性のバランスが取れた錠剤が得られます。
イソマルトグラニューは糖アルコールであるイソマルトを原料とした直接打錠用賦形剤です。乳糖グラニューと同様に流動層造粒法によって製造され、流動性や崩壊性にも優れますが、特筆すべきはイソマルトの持つ圧縮成形性が最大限に発揮される点にあり、非常に高い硬度の錠剤を得られます。また、糖アルコールであるイソマルトは還元基であるカルボニル基を持たないため、メイラード反応※2に起因する製剤の変色が起こり難いことも特長です。さらに、イソマルトはう蝕性※3がない上、ショ糖や乳糖と比較して低カロリーの原料です(ショ糖、乳糖:約4 kcal/g、イソマルト:約2 kcal/g)。
以上より、イソマルトグラニューは主成分の圧縮成形性が低い、処方中に占める主成分の割合が高い、処方中に還元糖との配合性が悪い成分がある、製品のカロリーを抑えたい、などといった場合に最適な賦形剤です。
※2 メイラード反応:糖とアミノ酸が加熱等の条件下で反応し、褐色物質や香り成分を生成する化学反応
※3 う蝕性:歯が酸で溶けて虫歯になる性質のこと

非常に優れた錠剤成形性
乳糖や還元麦芽糖と比較しても錠剤成形性が非常に高く、主成分が多い処方に適しています。
優れた流動性
直接打錠に適した粒度に造粒されているため、流動性に優れ、打錠時の作業性が良好です。
糖アルコールであるイソマルトの造粒物
イソマルトは還元基を持たずメイラード反応による製剤の変色リスクが低いです。また、う蝕性がなく、乳糖や砂糖に比べて低カロリーの原料です。
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還元麦芽糖水飴や乳糖グラニューに比べて高い硬度の錠剤が得られました。
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還元麦芽糖水飴や乳糖グラニューに比べて高い硬度の錠剤が得られました。
グルコサミン70%配合錠への使用例.png)
成形性の低い成分であるグルコサミンを70%含有した錠剤を直接打錠にて容易に製造できます。
パーフィラー102はアミロース含量の高いとうもろこし澱粉(ハイアミロースコーンスターチ)を原料とした直接打錠用賦形剤です。パーフィラー102は非常に多くの機能を持つ賦形剤であり、優れた錠剤成形性、崩壊性、流動性、滑沢性を有します。一般的に錠剤成形性が高く賦形剤や結合剤として広く用いられている結晶セルロースと比較しても、同等の錠剤成形性を発揮し、尚且つ、顕著に崩壊時間の短い錠剤を得られます。また、粒子形状が球状であるため、流動性にも優れ、さらには滑沢性も有していることにより、処方によっては滑沢剤の低減あるいは滑沢剤無添加での打錠成形が可能となります。
以上より、パーフィラー102は崩壊性を損なわずに硬度の高い錠剤を得たい、配合する添加剤の種類を少なくしたい、処方中の滑沢剤の割合を減らしたい、などといった場合に最適な賦形剤です。

硬度が高く、崩壊の速い錠剤が得られる
パーフィラー102を添加することで、結晶セルロースを用いた錠剤とほぼ同等の硬度を有する錠剤が作製でき、顕著に崩壊時間の短縮が図れます。
優れた流動性
球状の造粒物であるため、流動性が良く、臼への充填性に優れます。
滑沢性を有する
処方により滑沢剤の低減ができます。また、処方中にパーフィラー102が多くの割合を占める場合には、滑沢剤無添加での打錠成形ができます。
アミロース含量の高いとうもろこし澱粉(ハイアミロースコーンスターチ)が原料
アミロースを50~70%ほど含むハイアミロースコーンスターチが原料です。原料に遺伝子組み換え品は一切使用しておりません。
単味処方の錠剤物性.png)
造粒乳糖よりも高い硬度の錠剤が得られました。
ラクトフェリン20%配合錠への使用例.png)
造粒乳糖よりも顕著に硬度が高い錠剤が得られました。また、パーフィラー102が処方中で多くの割合を占める場合には、滑沢剤フリーでの打錠成形が可能になります
アスコルビン酸80%配合錠への使用例.png)
パーフィラー102を用いることで、結晶セルロースを用いた錠剤とほぼ同等の硬度を有する錠剤が得られ、顕著に崩壊時間の短縮が図れます。
チュアブル錠への適用.png)
パーフィラー102を用いることで、結晶セルロースを用いた錠剤とほぼ同等の硬度で口溶けのよいチュアブル錠が得られます。
本記事では、フロイントの食品向け直接打錠用の賦形剤である乳糖グラニュー、イソマルトグラニュー、パーフィラー102の特長について、使用例を交えてご紹介しました。
食品やサプリメントの製剤設計をする上で、錠剤硬度が出ない、崩壊性が悪い、流動性が悪い、などでお悩みの際には、ぜひフロイントの食品向け打錠用賦形剤のご利用をご検討ください。
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