製造時間を約70%削減。打錠用All-in-One添加剤「AlionF(アリオンエフ)」が変える、直接打錠プロセスの常識 添加剤 2026.07.23
「原料の種類が多く、管理と秤量ミスなどヒューマンエラーのリスクが常に気になる」「秤量・混合・記録……工程ごとに積み重なる作業時間が、製造ラインの稼働率を圧迫している」「製剤開発期間が短く、限られた検討しかできない」——製剤開発・製造の現場で、こうした課題を感じたことはありませんか。
GMP要件の高度化が進む今、品質を落とさずに製造効率を上げることは、製剤研究者、生産技術者 にとって構造的な難題になっています。
本記事では、開発段階品 打錠用All-in-One添加剤「AlionF(アリオンエフ)」について、医薬品添加剤の開発・製造を長年手がけてきた当社の視点から、その製品設計思想・性能データ・現場への導入メリットをご紹介します。
製造プロセスの抜本的な見直しを検討されている方に、特にお読みいただきたい内容です。
※AlionFは開発段階品です(2026年7月時点)。
2.「打錠用All-in-One添加剤」とは何か——従来法との違いを整理する
3. 打錠用 All-in-One 添加剤「AlionF(アリオンエフ)」
- 検証データ1:成形性と崩壊性——十分な硬度と良好な崩壊性を両立
- 検証データ2:混合均一性・含量均一性——安定品質の実現
- 検証データ3:過混合耐性——滑沢剤起因のリスク回避
- 検証データ4:長時間打錠性——安定品質の実現
4. まとめ:AlionFが製造現場にもたらす3つの変化
高品質な医薬品の安定供給は、製造に携わるすべての関係者の使命です。しかしその使命を果たすためのハードルは、年々高くなっています。
特に近年、以下の3つの要因が製造現場の製造コストや人的リソースを圧迫する「見えないコスト」を増大させています。
日々の改善活動だけでは追いつかない、構造的な課題に直面している現場も少なくないはずです。だからこそ今、製造プロセスそのものを「抜本的に見直す」発想が求められています。
その具体的な選択肢が、打錠用All-in-One添加剤というアプローチです。
All-in-One添加剤がもたらす5つのメリット
- 作業時間の大幅短縮(秤量、混合)
- 品質の安定(添加剤の均一な組成)
- 初期製剤化検討期間の短縮
- 在庫管理負担の軽減(使用原料の種類削減)
- ヒューマンエラー防止(秤量や投入順序などのミス)
All-in-One添加剤は品質・コスト・リスク管理の三軸に同時に貢献する、戦略的な製造設計の選択肢です。
では、AlionFがどのように工程の削減を実現しているか、次章で詳しく見ていきます。
AlionFは、独自のスプレードライ技術により、以下の4成分を理想的なバランスで複合化しています。
この設計により、AlionFは原薬と混合するだけで直接打錠でき、滑沢混合工程を別途設ける必要がありません。
では、AlionFの性能は実際のデータでどのように示されているのでしょうか。以下の4つの検証データでご確認ください。
打錠用添加剤に求められる基本性能として、「十分な硬度」と「良好な崩壊性」の両立は、しばしば課題となります。
AlionFのプラセボ錠剤を用いた比較試験では、以下の結果が得られています。
【試験結果】
- AlionFは、従来直打法と比較して低打錠圧にて高い錠剤硬度を示す。
- 他社製All-in-One添加剤よりも短時間での崩壊を示す。
成形性と崩壊性の両立は、製剤設計の自由度を広げる重要な要素です。
医薬品製造において、混合均一性と含量均一性の確保は重要な品質特性です。特に低含量製剤では、わずかな偏析が製品品質に直結するため、この性能は製剤設計時に注視するポイントの一つです。
【試験結果(混合均一性)】
- AlionFは、従来直打法と比較して短時間で薬物含量RSDが低下し、混合均一性が得られた
- 混合5分程度でRSD 2%を達成(従来直打法ではRSD低下に要する時間が長い)
【試験結果(含量均一性)】
- AlionFは従来直打法と比較して平均薬物含量・薬物含量RSD・判定値いずれも安定的に確保
短時間で混合均一性を達成することは、単なる時短ではなく、品質レベルの向上を意味します。
滑沢剤の過混合は、製造現場が長年抱えてきた課題の一つです。
代表的な滑沢剤であるステアリン酸マグネシウム(MgSt)は、過剰な混合により他成分の粒子表面へ展延し、粒子間の結合を阻害します。その結果、錠剤硬度の大幅な低下、崩壊遅延、溶出遅延を招くことが知られています。
そのため現場では、滑沢混合時間を厳密に管理する必要があり、これが製造プロセスの管理負担を増大させる一因となっています。
ここでは、混合時間が錠剤硬度に与える影響について検証しました。
尚、従来直打法にステアリン酸マグネシウム(MgSt)を添加した場合と、AlionFに含まれるフマル酸ステアリルナトリウム(SSF)を添加した場合とを比較検証しました。
【試験結果】
従来直打法では、混合時間の延長とともに錠剤硬度が低下しており、混合時間の影響を受けやすいことが分かります。一方、AlionFは混合時間の影響をほとんど受けていません。また、本検討において崩壊時間への影響は見られていません。
つまり、AlionFは混合時間の管理幅に大きな余裕をもたらします。 厳密な混合時間管理が不要になることで、条件変化に強い製造プロセスとなり、製造トラブルのリスクを低減できます。
製造スケールアップ時や、設備・オペレーターが変わる場面でも、安定した品質を維持しやすい設計と言えます。
長時間の打錠における安定性は、計画通りの供給責任を果たす上で不可欠です。
ここでは、8時間の連続打錠性を検証しました。
尚、打錠の安定性を評価するため、打錠機のフィードバック制御はせず、各パラメータは固定値としました。
【試験結果】

AlionFは8時間の連続打錠において、錠剤重量・硬度・崩壊時間のいずれも極めて安定しており、バラつきはほとんどありません。
よって、長時間の打錠においても安定した品質の錠剤が製造できると言えます。
- 製造時間の削減 打錠前工程の作業時間を約70%削減
- 品質リスクの低減 短時間での混合均一性達成・高い過混合耐性・長時間の打錠安定性
- 製造プロセスの安定化 ヒューマンエラー防止・混合時間の管理幅の拡大
上記3点を同時に実現できる添加剤は、これまで多くありませんでした。
医薬品製造を、「もっとシンプルに、もっと高品質に」という要求に応えるAlionFの使用により、 打錠の手間や調整負荷を抑え、製剤設計の本質課題により多くの時間とリソースを集中できるよう支援します。
また、本記事の内容を含む詳細に関しては以下学会にて発表予定となっております。
- 第4回 新打錠研究セミナー(2026年9月10日)
- 第43回 製剤と粒子設計シンポジウム(2026年11月5日~6日)
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