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発酵による袋の膨張対策 ~酵母菌、乳酸菌などによる食品腐敗の防止~ 食品品質保持剤 2021.07.30

発酵による袋の膨張対策 ~酵母菌、乳酸菌などによる食品腐敗の防止~

シフォンケーキやチーズケーキ、フルーツケーキなどの洋菓子、どら焼などの和菓子、生ラーメン・生うどんなどの麺類、ドライフルーツ、餅などの食品を包装した際、保管中に袋が膨張し、食品の風味が著しく損なわれる、ネバつきが発生するなどの問題を抱えていることはないでしょうか。

本記事では、袋の膨張が発生する原因や対策についてご説明します。

食品を包装した袋が膨らむ要因は複数あり、主に次の5つがあげられます。

  • 大気圧の変化
    登山などで平地から高所に移動すると、ポテトチップスの袋がパンパンに膨れます。これは大気圧の変化による膨張です。
    平地では袋内の空気が大気圧によって抑えられているため、袋は膨張しません。
    しかし大気圧の低い高所では抑える力が弱くなるため、袋内の気圧の方が高くなり体積が大きくなることにより袋が膨張します。
    これは空気の体積変化が要因のため、食品の風味への影響はほとんどありません。

  • 気温の変化
    気温によっても空気の体積は変化します。空気が温められると、熱エネルギーが高まり空気中の分子の運動が活発になります。
    分子運動が活発になると分子間の間隔が広がるので空気の体積が大きくなります。そのため、食品を包装した時よりも気温が高くなると、袋内の空気の体積が大きくなり袋が膨張します。
    この場合も、膨張による食品の風味への影響はほとんどありません。

  • 昇華(氷結)
    冷凍食品の袋も徐々に膨らむことがあります。保管中に冷凍庫の開閉などで温度が変化すると、冷凍食品の袋内部に付着した細かい氷の粒(固体)が水蒸気(気体)へ変化する、昇華と呼ばれる現象を生じることがあります。
    昇華によって生じた水蒸気の量に応じて袋内の空気の体積は大きくなるため、袋が膨らみます。
    冷凍食品の袋が膨張している場合、食品中の水分が移動している可能性があるため、解凍時に食感などが変わることがあります。

  • メイラード反応
    食品に含まれるアミノ酸と糖が反応することがあります。(メイラード反応)
    一般的にメイラード反応は食品を加熱することで反応が進み、炭酸ガスを生じます。パンや焼肉などの独特の香りや色はメイラード反応による生成物が関わっています。
    また、メイラード反応は加熱をしない場合でも緩やかに進行することがあります。
    包装した食品が長期間保存され、徐々にメイラード反応が起こり、炭酸ガスを生じて袋内の体積が大きくなり、袋が膨張します。
    食品の長期保存時のメイラード反応により生じる色や香りの変化は、食品の風味低下をもたらすことがあります。

  • 発酵
    発酵は一部の微生物による反応です。ヨーグルトやパンなどは、意図的に微生物の発酵を食品の加工に利用していますが、意図していない発酵は包装された食品に対して厄介な反応となる場合があります。
    包装された食品において微生物による発酵が生じると、袋が膨張するだけでなく、微生物の作り出す物質による異臭、酸味、変色、ネト(ネバつき)など様々な問題が起こります。
袋の膨張の要因 食品への影響
大気圧の変化 ほとんどない
気温の変化 ほとんどない
昇華(氷結) 食感の変化をもたらすことがある
メイラード反応 風味の低下をもたらすことがある
発酵 発酵食品を除き、食品に異臭、酸味、変色、ネト(ネバつき)を生じることがある
発酵とは酵母菌や乳酸菌などの微生物が有機物を資化して、アルコール・有機酸・炭酸ガスなどに分解する過程のことです。
この過程は嫌気性条件下(酸素を必要としない状態)でも生じます。

発酵は微生物を利用することで、発酵食品を製造することができます。
先ほど例に挙げたヨーグルトやパンの他にも、様々な発酵食品があります。

【発酵食品と利用される微生物】
パン、お酒(ビール、ワイン、清酒等):酵母菌
ヨーグルト、チーズ、乳酸菌飲料、漬物:乳酸菌
納豆:納豆菌
味噌、醤油、かつお節:麹菌
酢、リンゴ酢、ワインビネガー:酢酸菌

発酵は、発酵食品以外でも生じることがあります。

ここからは発酵が問題となる場合について、詳しく説明します。

発酵食品以外の食品が発酵すると、食品の味や香りが変化して風味が低下します。この現象を食品の変敗といいます。(食品の変敗は、発酵以外にもカビなどの微生物が原因の腐敗、光や熱による脂質や色素等の酸化、乾物などの吸湿などがあります。)

植物性原材料や糖類を使用する食品は、特に酵母菌や乳酸菌の発酵による変敗が起きやすく、炭酸ガス発生による袋の膨張の他、斑点やシンナー臭、酸を生成し、食品の異臭や味の変化の原因になります。

参考
管理栄養士養成シリーズ6微生物学(第3版)

包装された食品の変敗を防ぐために、食品品質保持剤が使われます。
食品品質保持剤は主に次の4タイプがありますが、どの品質保持剤が発酵による変敗に適しているでしょうか。

  • 脱酸素剤…包装内を無酸素状態にする
  • エタノール蒸散剤…低濃度のエタノールガスにより静菌する
  • 脱酸素剤+エタノール蒸散剤…1、2の機能複合タイプ
  • 乾燥剤…包装内を乾燥状態にする
※品質保持剤の種類や効果については、前回の記事(「たべられません」の袋、あれは何?)で詳細をご覧いただけます。

発酵は主に酵母菌や乳酸菌により起こるため、これらの菌を抑制する必要があります。

酵母菌や乳酸菌の増殖の抑制には、3つ目の脱酸素剤とエタノール蒸散剤の効果を併せ持つ食品品質保持剤が適しています。

酵母菌は酸素のない環境でも増殖することができます。
そのため、酸素を吸収することで袋内を無酸素の状態にする脱酸素剤では、発酵による袋の膨張を完全に防ぐことはできません。

乳酸菌は酸素がない環境を好むため、脱酸素剤を使用すると発酵が促進されることがあります。
また、カビの増殖を抑制する効果のあるエタノール蒸散剤を使用しても、酵母菌および乳酸菌ともにエタノールに耐性のある種類が存在するため、エタノール蒸散剤では増殖を完全には抑えることができません。

脱酸素剤とエタノール蒸散剤の複合型食品品質保持剤はそれぞれの保存効果を有しているため、発酵による食品の変敗対策に効果的です。
弊社では脱酸素剤とエタノール蒸散剤の効果を併せ持つ製品として、ネガモールドを提供しています。

  • ネガモールド 技術資料(機能/効果/保存試験)

食品を包装する袋の膨張原因の一つに発酵があり、発酵食品以外でも生じることがあります。

意図せず発酵が起きる食品例:
シフォンケーキやチーズケーキ、フルーツケーキなどの洋菓子、どら焼などの和菓子、生ラーメン・生うどんなどの麺類、ドライフルーツ、餅など。

意図しない発酵は味や香りの変化や風味の低下を引き起こしますが、脱酸素剤とエタノール蒸散剤の、両方の機能を持つ「ネガモールド」で防ぐことができます。
※食品の変敗を抑えられる期間は、包装の仕方や製造した季節、環境、保存温度等に影響されます。必ず実際の商品形態で事前に試験を行い、ご使用ください。

発酵による袋の膨張対策として、ネガモールドの効果を試してみたい食品メーカーのみなさまへ、サンプルをご用意しております。フォームよりお問合せいただき、ネガモールドの効果をぜひ実感してください。

キーワード: エタノール蒸散剤+脱酸素剤 食品品質保持剤

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