機械・添加剤・品質保持剤
フロイントグループ創業からの知識の海

「たべられません」の袋、あれは何? 食品品質保持剤 2021.04.22

お菓子や麺などの食品を購入した際、包装内に、「たべられません」と表面に記載された小さな袋を目にしたことはありませんか。
この小袋は食品品質保持剤(以下、品質保持剤)です。この小袋を食品と一緒に包装することで、食品の劣化を防ぎ、美味しく食べられる期間を延ばしているのです。

品質保持剤には主に3種類の効果があります。1つ目は、食品内カビなどの微生物が増殖するのを抑える効果(静菌)、2つ目は、食品のテクスチャー(やわらかさ・しっとり感など)を保つ効果、3つ目は、酸化による食品変質の防止です。

食品は、汚染微生物(カビ、細菌など)が増えてしまうことで劣化します。微生物が増殖するためには適当な条件(栄養素・温度・水分・酸素など)が必要です。品質保持剤は、アルコールの一種であるエタノールを使用して、あるいは酸素をコントロールすることで微生物が増殖しにくい条件を作り出しています。

品質保持剤で使用するエタノールは、品質保持剤の小袋に粉末もしくはゲル状で含まれています。食品と一緒に包装すると、エタノールは包装内に気化して広がることで、微生物の増殖を抑えます。
また、増殖に酸素を必要とするカビなどの微生物に関しては、使用できる酸素がなくなれば増殖できないため、食品の包装内の酸素を吸収する品質保持剤により無酸素状態にコントロールすることで、微生物の増殖を抑えます。

品質保持剤としてエタノールを使用したもの、それとも酸素を吸収するもの、または両方を使用するべき?
と、選び方に疑問を持たれるかと思います。

次の1~3はカビの増殖を抑えますが、それ以外の効果については各タイプで得意とする効果が変わります。
そのため、食品にあわせて品質保持剤を選びます。

1. エタノールを使用するタイプ(エタノール蒸散剤):
  密封された包装内でエタノールが気化することで、カビの増殖を抑えます。また、食品の「やわらかさ」や「しっとり感」を保つ効果も有しています。

2. 酸素をコントロールするタイプ(脱酸素剤):
  密封された包装内の酸素を吸収して無酸素状態にすることで、主にカビの増殖を抑えます。また、食品の酸化を防止する効果も有しています。

なお弊社の品質保持剤では、1と2の効果を兼ね備える画期的なハイブリッドタイプの製品があります。

3. ハイブリッドタイプ(エタノール蒸散剤+脱酸素剤):
  水分活性値の高い食品の品質保持に適しており、上記1・2の効果に加え、カビだけでなく、枯草菌や、酵母の増殖を抑制する効果を有しています。

品質保持剤が食品の劣化を防ぎ、また美味しさを保つことをご紹介してきました。
最後に当社製品と具体的な食品の組み合わせをご紹介し、さらに利用してみたい方へのサンプルお届けについてご案内します。

食品の「やわらかさ」や「しっとり感」を保ちたい場合におすすめです。

・洋菓子:バウムクーヘン、マフィン、マドレーヌ、ワッフル、マカロン、ドーナツなど
・和菓子:カステラ、甘納豆など
・パン:デニッシュ、ベーグルなど
・麺:半生ラーメンなど
・水産加工品:さきいかなど

発酵しやすい食品の保存におすすめです。

・洋菓子:シフォンケーキ、フルーツケーキ、マロングラッセなど
・和菓子:どら焼き、生八つ橋など
・麺:生ラーメン、生うどんなど
・その他:ドライフルーツ(いちじくなど)

酸化による食品の変質を防ぎたい場合におすすめです。

・麺:半生うどん、そばなど
・その他:ドライフルーツ(アプリコットなど)、ミックスナッツなど

品質保持剤の効果を試してみたい食品メーカーの皆さまへ、サンプルをお届けしています。
フォームよりお問合せいただき、当社品質保持剤の効果をぜひ実感してください。

キーワード: 脱酸素剤 エタノール蒸散剤 エタノール蒸散剤+脱酸素剤 食品業界 食品品質保持剤

PRODUCTS