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コーティング装置の排気ダクト閉塞、放置していませんか?原因・影響・対策を徹底解説 機械 2026.06.16

コーティング装置の排気ダクト閉塞、放置していませんか?原因・影響・対策を徹底解説

「最近、集塵機のフィルタ交換頻度が上がってきた気がする」「パン内の陰圧がすぐに崩れてしまう」
——そんな経験はありませんか?

実はそれ、排気ダクトの閉塞が原因かもしれません。流動層造粒装置やコーティング装置を安定稼働させるうえで、装置本体だけでなくダクト配管のメンテナンスは欠かせません。
今回は、コーティング装置の排気ダクトで起こりうるトラブルの仕組みから、具体的な調査・対策方法まで、現場担当者の方に向けてわかりやすく解説します。

吉田 伊吹(Ibuki Yoshida)

フロイント産業株式会社
機械事業本部 サービスエンジニアリング部 東京サービスエンジニアリング課

2014年入社後、装置導入に伴う設備工事の設計・施工管理などを経験し、
現在は主に装置のアフターサポートやメンテナンス業務を担当。

1. はじめに
2. パン内静圧コントロールの目的
3. ダクト詰まりが引き起こす影響
4. ダクト閉塞かなと思ったら
 - ダクト閉塞の調査方法
 - ファイバースコープカメラによる調査と遠方からの清掃
 - 清掃の作業性を上げるには
5. 不具合の兆候を早期に察知するために
6. まとめ
流動層造粒装置や錠剤コーティング装置を長期間安定的に稼働するためには、装置本体の部品だけでなく、設備を構成するダクト配管や蒸気配管もメンテナンスが必要です。

一例として、コーティング装置の排気ダクトで起こりうるトラブルとメンテナンスについてご紹介します。
コーティング装置には給気ファンから調湿された給気エアが供給されます。コーティングパン(以下、パン)内は給気エアにより陽圧になろうとしますが、排気ファンの運転により -50〜-100Paほどの陰圧に保たれ、装置内の空気が製造室へ暴露することを防いでいます。

排気ファンがパン内を陰圧に保つためには、以下のような「抵抗(圧力損失)」の合計よりも、排気ファンの静圧能力が上回る必要があります。
  • 給気エアからの陽圧
  • 錠剤を含む装置内の抵抗
  • 排気ダクト経路の抵抗
  • 集塵機の抵抗(目詰まり状態を想定)

集塵機フィルタの目詰まりが進むと圧力損失の合計が静圧能力を上回り、パン内を陰圧に保てなくなってしまいます。そのため、定期的なメンテナンスとしてフィルタ交換が必要となります。

※通常、フィルタ差圧が1.5〜2.0kPaまで上昇したらフィルタ交換の目安となります。
長期間の運転により、排気ダクトの内部にコーティング液由来のダスト粉汚れが堆積し、排気エアの流れを妨げることがあります。堆積が進行すると排気ダクトの圧力損失が著しく増大し、本来は集塵機の目詰まりに備えるための静圧の余力が浪費されてしまいます。

その結果、集塵機のフィルタ差圧が交換目安に達する前にパン内が陰圧を保てなくなり、短周期でのフィルタ交換・清掃が必要となります。 本来不要な装置停止期間や工数のロスが生じてしまうのです。
以下のような症状は、排気ダクト詰まりの兆候かもしれません。弊社にご相談ください。

  • 以前に比べて集塵機のフィルタ差圧が低いのに、フィルタ清掃が必要になってしまった
  • パン内静圧がすぐに陽圧になってしまう
  • 排気ファンの出力値が高くなっている

閉塞が懸念されるダクトの各ポイントに穴を開けて静圧を測定し、差圧が大きい区間が見つかれば閉塞の可能性が有ります。

排気ダクトが外壁沿いの高所・天井裏・ISSフロア※1など、取り外し作業が困難な場所に敷設されている場合は、ファイバースコープカメラによる内部調査が有効です。

大がかりな作業足場の設置や不安定な場所での作業を回避でき、比較的少ない費用で調査が可能になります。また、ダクト分解調査では実際にダクトを取り外すまで閉塞箇所を特定できないのに対して、ファイバースコープでは予め確実に清掃が必要な箇所を特定できるメリットがあります。

※1 Interstitial Space System:多層の建物に設けられる設備専用のフロア(階)のこと

さらに、エアーウィップと呼ぶ器具を使用することで、遠方からダクト内部を清掃する方法があります。圧空で動作するハタキを点検口から挿入し、ダクトを分解せずに安全な場所からダクト内部の汚れを解砕できます※2

※2 堆積物の硬さやダクトの施工状況によっては、うまく清掃できない場合があります。

エアーウィップによるダクト内部の遠方清掃は、弊社が連携する協力業者の独自工法です。 工法の詳細や実績については、下記の協力業者サイトをご参照ください。

スパイラルダクトは主に差込み継手工法で接続されており、後からピンポイントでダクトを分解しにくい構造となっています。長い寸法のダクトを持ち上げたり、差込み継手の固定ビスやコーキングを取り外して復旧したりするには、大きな労力がかかります。

粉汚れは一度清掃しても同じ場所に堆積する場合が多いため、堆積箇所が特定できればダクト工事によりフランジを追加することで、その後の分解清掃の負担を大幅に軽減できます。

粉汚れの堆積だけでなく、装置・設備各部の経年変化は徐々に進行するため、トラブルが生じる前に不具合の兆候を認識することは難しいことが多いです。

数週間から月に1度程度の頻度で運転データを記録し、過去のデータと差異が生じていないかを確認することで、大きなトラブルが発生する前に兆候を察知し、事前にメンテナンスを実施することで安定稼働を継続できます。

以下は運転データの記録例です。定期的にこのような記録をつけておくと、変化に気づきやすくなります。(赤枠内の数値変化に注目する。)

排気ダクトの閉塞は、フィルタ交換頻度の増加や装置停止ロスといった現場の「じわじわとした困りごと」につながります。しかし、日頃から運転データを記録し、変化の兆候を早期に察知することで、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。

「最近、調子がおかしいな」と感じたら、それはダクトからのサインかもしれません。ファイバースコープカメラによる調査やエアーウィップを活用した遠方からの清掃など、現場の状況に合わせた対応策があります。まずはお気軽に弊社へご相談ください。

装置の安定稼働を長期にわたって維持するために、ダクトのメンテナンスも設備管理の重要な一環として取り入れていただければと思います。

詳しいメンテナンス事例や調査・工事のご相談は、お気軽にお問い合わせください。

※本記事中の数値・図表は参考値です。実際の装置・設備の状況により異なる場合があります。

キーワード: 糖衣コーティング フィルムコーティング 医薬品業界 コーティング 錠剤コーティング

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