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食品にカビが生えた!カビの種類と特徴、対策について 食品品質保持剤 2022.02.25

食品にカビが生えた!カビの種類と特徴、対策について

カビが生えやすいせいで賞味期限を長くできない…。
食品製造業に携わる方なら誰しも抱えたことのある問題ではないでしょうか。
「カビ」と一口にいってもその原因は様々。今回はそんな困ったカビの特徴と対策についてご説明します。

食品にカビが生えてしまうと、変色、異臭(カビ臭)、異物といったクレームにつながります。
そんなカビを防ぐためにも、まずはカビについて改めて学んでいきましょう。
ここでは、食品で問題となる代表的なカビの種類とカビの生えやすい環境についてご説明します。

・酸素がある
・栄養源がある(糖質、タンパク質、脂質)
・温度が20~30℃
・環境の湿度が65%以上
・食品の水分活性値が0.65以上
・含水分が10%以上

食品製造現場は水を使用する、加熱調理するなど高温・高湿になりやすく、また原料粉の飛散、食品カスや汚れといった栄養源も豊富でカビの生育しやすい環境といえます。

手強いカビですが、もちろん弱点やコントロール方法はあります。

  • 熱に弱い
    一般的なカビは60℃、30分の加熱処理(湿熱)で死滅します。
  • 乾燥に弱い
    水気をしっかり拭き取り、よく乾燥させましょう。
    *乾燥しても胞子は生き残っています。加湿・結露による活性化に注意しましょう。
  • 低温環境に弱い
    冷凍下では生育しません(死滅はしない)。冷蔵下では生育速度が遅くなります。
    *冷凍・冷蔵品でも温度管理が不十分だとカビ事故につながる恐れがあります。
  • エタノール(濃度70%前後)や次亜塩素酸ナトリウムによる消毒
  • 食品品質保持剤(エタノール蒸散剤や脱酸素剤)による静菌
エタノール製剤 フーヅガード®は、食品の日持ち向上や衛生管理に役立つ製品です。用途に応じた2種類のタイプがあります。

1.フーヅガード®CP:食品の日持ち向上
利用例:
  • ショートケーキのクリームや生地、生麺への練り込み
  • 食品への噴霧、浸漬

2.フーヅガード®AZ:製造環境、機械・器具の除菌

製造環境には気を付けていたはずなのに、食品にカビが生えてしまった!
そんな時には汚染経路を確認することでカビを防ぐことができるかもしれません。
目に見えないカビを防ぐのは難しいですが、一般的に原因となりやすいポイントを確認していきましょう。

カビの汚染経路はいくつか考えられます。
・原材料の汚染
 原材料に泥がついている、土壌由来カビに汚染されている、
 包装資材(袋、箱)が汚れたまま持ち込まれたなど
・空中に浮遊するカビによる汚染
 カビに汚染された原料粉やホコリが飛散している
・調理器材や作業員の手指を介した汚染
・エアコン内部のフィルターや吹き出し口が汚れている
・昆虫の侵入
 昆虫の体に付着したカビによる汚染

カビの弱点とコントロール方法でも挙げたように、多くのカビは熱に弱く、加熱工程で死滅します。
しかし、加熱したからといって安心はできません。加熱後から包装の間の汚染にも注意が必要です。
写真は洋菓子製造工場内の汚染状況を調査した結果です。
カビの生えやすい寒天培地をシャーレに入れて、工場内でシャーレの蓋を一定時間開放した後、蓋を閉めて25℃で5日間培養しました。
食品は清潔な場所で製造されているイメージがありますが、対策が十分でなければ、こんなにもカビが発生することになります。

①原材料、外装(袋、箱)に汚れが付着していないか
原材料の泥汚れや汚れた外装は製造現場に持ち込む前に取り除きましょう。

②汚れた手で触っていないか
定期的な手袋交換、こまめな手洗い、アルコールを用いて手指の消毒をしましょう。

③食品カスや汚れ、ホコリが溜まった箇所を放置していないか
注意箇所を洗い出し、定期的(1時間毎や1日の終わり)に確認・清掃しましょう。
特に手の触れる場所(ドアノブ、棚の取っ手、機械の操作ボタンなど)、シンクの排水口も注意が必要です。

④エアコンは定期的に清掃されているか
内部のフィルターや吹き出し口を掃除しましょう。

⑤汚染区(原材料の保管場所や仕込場所)、準清潔区(加熱場所)、清潔区(加熱後の作業場)は区分けされているか
汚染区から直接清潔区への作業者や資材の移動がないような動線を確保し、ビニールカーテン、ドア、パーテーションなどで仕切りましょう。

⑥屋外から屋内への風の流れはないか
風の流れを確認しましょう。
屋内が陰圧になっていると窓、天井、壁の隙間から汚れた空気が流入します。

⑦天井や壁に黒ずみ汚れ(カビ)がないか
汚れからカビが落下することがないよう、エタノールと次亜塩素酸ナトリウムで黒ずみ汚れを除去しましょう。

⑧泥汚れのついた靴で食品製造現場に入っていないか
食品製造現場用の靴で屋外に出ないようにしましょう。

カビは8万種類もいるといわれ、私たちの身の回りのありとあらゆる環境に生息しています。
そのため、食品製造現場からカビを完全に除去することは困難です。
食品衛生法の改正により、2020年6月から食品を扱う全事業者に対してHACCPによる衛生管理の義務化が開始されました。

カビ対策では、「つけない」「増やさない」「やっつける」の3つが鉄則。
カビの特徴を理解することで、食品製造現場での適切な対策を学び、食品のカビ汚染を防ぎましょう。

参考『カビからまもる!!その知識と対策』公益財団法人日本食品衛生協会

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キーワード: 食品業界 ケミカル業界 水分活性測定器 食品品質保持剤

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