食品ロス削減!賞味期限を延長する方法と期限設定の根拠について 食品品質保持剤 2023.01.27

食品を製造・販売するにあたって、期限設定は必要不可欠です。
また、カビなどの微生物が繁殖する条件を知った上で対策することにより、食品の汚染を防ぐことができ、結果として賞味期限の延長(=食品ロス削減)にも繋がります。
カビの種類や特徴・対策についての詳しい説明は、以下リンク先の記事をご覧ください。
今回は、期限を延長する方法のひとつである食品品質保持剤を使用した際の、期限設定の方法について解説します。
期限の設定には、官能評価(味、香り、食感)は勿論ですが、食品の安全性や品質などを的確に評価するための客観的な項目(指標)に基づく必要があります。
客観的な項目(指標)とは、「理化学試験」「微生物試験」などにおいて数値化することが可能な項目(指標)のことです。
理化学試験:食品の製造日からの品質劣化を理化学的分析法により評価するもの。
一般的には「粘度」「濁度」「比重」「過酸化物価」「酸価」「pH」「酸度」「栄養成分」「糖度」が挙げられます。
微生物試験:食品の製造日からの品質劣化を微生物学的に評価するもの。
一般的には「一般生菌数」「大腸菌群数」「大腸菌数」「低温細菌残存の有無」「芽胞菌の残存の有無」が挙げられます。
参考 『食品期限表示の設定のためのガイドライン』 厚生労働省 農林水産省
次の項目では、当社で実施している保存試験(理化学試験、微生物試験など)について、食品品質保持剤の選定方法から順番にご紹介します。
より詳しい選定方法および水分活性値(Aw)についての説明は、以下リンク先をご覧ください。
ここからは、当社食品品質保持剤を封入した製品の保存効果を確認する方法の一つとして、当社技術開発研究所での 保存試験(理化学試験、微生物試験など)について、試験風景を交えてご紹介します。
1 .製品受入れ時試験
2.エタノール濃度(包装内ガス濃度・食品中濃度)の測定
3.微生物試験
4.試験結果報告書の作成
※上記以外にも、エタノール蒸散剤による「やわらかさ」保持効果を確認する方法として、クリープメータ(物性試験機)を用いた試験も行っています。
クリープメータにて計測したエタノール蒸散剤による「やわらかさ」保持効果については、以下リンク先の記事をご覧ください。
フロイント産業の製品評価室では、これまで20年以上前より試験を実施してきた実績があり、特殊なご相談にも対応しています。営業部門とは違い、普段はあまりお客様と接する機会はありませんが、食の安心・安全を支えている必要不可欠な存在です。
日々の試験を担当している、当社のエキスパート(製品評価室長 門脇由佳)にインタビューしました。
・どのような食品を試験することが多いですか?
バウムクーヘン、ドーナツなどの洋菓子、饅頭、カステラなどの和菓子、その他パン、麺類(中華麺)などです。
・試験を担当するにあたって心がけていることはありますか?
お客様からお預かりした大切な検体のため、慎重に取扱うことです。
また、適切な内容で試験が進められるよう、検体の現状やお客様のご要望など、担当営業から事前に確認のうえ、進めています。
試験中は細かな変化や異常を見逃さないことに気を配っています。
適した食品品質保持剤を封入し品質劣化を防ぐことで、より長い賞味期限を設定することが可能となり、最終的にはSDGsの中でも大きく取り上げられている食品ロス対策にも繋がります。
食品の保存に関するお困りごとがありましたら、当社までお気軽にご相談ください。
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