医薬品製造現場をサポートする"Smart DI"導入開始 製品情報 2021.08.18

 フロイント産業は、製薬会社における固形剤製造工程の装置を運転する際の運転指示設定値及び運転実績測定値を自動保存して外部記録するシステム「Smart DI」を開発しました。本システムは記録データが完全で一貫性があり、正確であることを担保し、医薬品の品質と製造現場の作業効率を向上し、安定生産を助けるソリューションです。このシステムで得られるデータは米国・欧州含む世界主要国の医薬品製造規制に対応する信頼性を確保しており、このたび当社は日本での導入を開始いたしました。

 従来、医薬品の製造管理・品質管理では、電子記録は書き換えの証跡が残らないとされ、手書き方式の記録が採用されている背景があります。近年、FDA(アメリカ食品医薬品局)が発出した「データインテグリティに関するガイダンス」より、電子記録による記録の完全性を実現するシステムの需要が高まっています。
日本の製薬業界は薬価引き下げが続いている中、医薬品の製造管理および品質管理の基準(GMP※1)の改正への対応を行う厳しい状況に置かれています。消費者が安心して医薬品を服用するために、医薬品の品質はGMPで厳しく管理されている一方、生産量を確保するには品質管理や出荷前検査等を行う現場に大きな負荷がかかってしまうことが課題となっています。
※1 GMP(Good Manufacturing Practice):適正製造基準

 フロイント産業は、上記のデータインテグリティガイダンスやGMP基準に対応した、データの完全性を実現するデータインテグリティシステム「Smart DI」の開発を進めてきました。作業者のログはもちろんのこと、データの変更・削除の記録が全て残るシステムのため、現場の不正防止や製造管理者・品質管理者の作業負荷削減に貢献します。データインテグリティ(以下DIと記載)に関しては、品質管理の分野では試験機器メーカーの取り組みが早く、規制当局もまずこの分野から監査を強化していった経緯があり、多くの会社でLIMS※2等の導入が進められています。
※2 LIMS(Laboratory Information Management System:ラボ情報統合管理システム)

 当社の「Smart DI」システムは生産設備への導入が容易に出来るよう、必要とされる機能毎にシステムを提案できるラインナップを構築しました。必要な機能を選択して導入出来るため、初期導入コストを抑えることが可能です。また、既存設備にも装備可能です。
ラインナップは大きく分けて以下の3つです。

・Smart DIを装備した機械装置が自動でデータを全て記録するため、運転データ等の抜け・漏れが無くなります。
・各工程間の品質チェックにおいて、誤記・改ざんのない情報を閲覧しチェックすることが出来ます。
・監査証跡により、SOP外の操作を実施していないか確認出来ます。
・製造プロセスの「見える化」が可能となる事で、効率的な人員配置の計画が可能となります。
・製品の品質が安定し、安定供給につながります。

・制御盤へデータ保存し、任意のタイミングでデータ閲覧用メディアへ転送可能です。
 またローカルのクローズされたネットワーク環境でデータ管理を行うため、情報流出リスクがありません。
・複数設備のデータが一括管理可能になります。
 各設備の制御盤から取得した監査証跡とプロセスデータを、1つの外部記憶システムにデータ転送することで一括管理できます。
・データベース化することで検索や抽出が可能になります。
 PC上での閲覧や、JPG・CSV・PDF形式、または専用テンプレートを用いた帳票出力が可能です。

 製薬会社  6社


 当社は医薬品製造用機械を開発してきたパイオニアとして、数多くの製薬・化学系メーカー様に機械装置を納入してきました。このノウハウを活かし、Smart DI導入にあたるご提案やサポートを行います。フロイント産業は本サービスを提供することにより、固形剤医薬品製造の生産性向上及び安定生産の信頼性を担保する活動を支援していきます。

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