混合・造粒

混合・造粒とは

混合


混合とは、2種類以上の粉粒体を、乾燥状態あるいは少量の液体を加えた状態で混ぜ合わせ、含まれる成分を均一な状態にすることです。混合の良不良は最終製品に影響を及ぼします。
なお混合の目的(造粒前の予備的な混合か、打錠やカプセル充填前の最終混合か)により、必要とされる均一度や評価法は変わります。

造粒


造粒とは、原料から目的とする大きさの“粒”をつくる工程です。
主に次の問題解決を目的として行われます。

医薬品原料は、一般に流動性が悪く、粉同士がくっつきやすく、取り扱いにくいという性質があります。このような取り扱いにくい性質を改善するために造粒します。また造粒により、圧縮特性(打錠性)を改善したり、時には溶解性を改善したりすることができる場合もあります。さらに、原薬の偏析を防止して、製剤均一性(含量均一性)を改善するために造粒する場合もあります。

造粒には主に2つの方法があり、造粒方法や使用する装置を原料や目的にあわせて選びます。

湿式造粒


  • 原料微粉末へ接着するための液体を加えて粒子同士を結合させ、その後水分を乾燥させて大きな粒をつくります。現在、日本で広く採用されている湿式造粒法には主に次の2つがあります。


流動層造粒法
原料を製品容器に投入し、容器下部から空気を送り込み、この空気により原料を浮遊、流動させ、その流動した層中に結合剤溶液を霧状にして噴霧し、粉末同士を結合させて少しずつ大きくして造粒する方法です。この方法では、混合、造粒、乾燥を1つの機械の中で原料を外部の露出させずに行えることが特長です。

攪拌造粒法
原料を製品容器に投入し、容器内の攪拌翼を回転させて原料を混合します。さらに攪拌翼を回転させながら、その中に結合剤溶液を投入して、原料を混練します。同時に解砕羽根を高速で回転させ、混練により発生した塊をほぐして、造粒します。造粒した湿塊粒を別の乾燥装置に移送して乾燥します。

押し出し造粒法
上記造粒法に加え、最近連続生産に関連して注目されているのが、押し出し造粒法です。この技術そのものは古くからあったものですが、バッチ式と連続式があり、連続式については連続生産の考え方に合致するということで注目が集まっています。
原料を結合剤溶液で混錬し、これをスクリーンから押し出して造粒します。連続式の場合は必ずしもスクリーンを通すことなく、混錬機からスクリューによってそのまま排出する方法が多く採られています。排出された湿塊粒は、必要に応じて湿式解砕し、続いて乾燥機により乾燥します。

転動流動造粒
一般的に流動層造粒法によって製する顆粒は圧縮特性がよいが、嵩密度が低いため、他成分と混合した時の偏析や、打錠やカプセル充填の際の粉末の振り込みの安定性が劣ることを心配をする向きがあります。そこで、これよりはもう少し嵩密度が高い顆粒を得るための造粒法として転動流動造粒法があります。
装置としては、一般的な流動層造粒装置の製品容器の下部にローターを設け、これを回転させることにより、顆粒に圧密効果を与え、嵩密度を高くするものです。

乾式造粒


  • 原料をロールで圧縮してフレーク状にした後、粉砕することで目的の大きさの粒をつくります。水分や溶媒に弱い原料、風味を保ちたい原料を造粒するのに向いています。

微粒子コーティング
原薬のマスキング、放出制御のために、核粒子にコーティングを施す技術があります。方法としては、核粒子に原薬をコーティングし、その上にマスキングや放出制御のためのコーティング剤をコーティングするものです。
コーティング方法としては、側方噴霧法、ワースターコーティング法、転動流動コーティング法などがあります。

側方噴霧法
一般的な流動層造粒装置を用い、被覆される核粒子を流動させ、製品容器の下部側面に設置したノズルから流動層内にコーティング液を噴霧してコーティングするものです。製品容器内にデバイスを装着する必要がないため、装置的なトラブルも少なく、最も簡便な微粒子コーティング装置と言えます。

転動流動コーティング法
製品容器下部にローターを設け、核粒子を製品容器内に仕込んでローターにより転動させます。製品容器の側面にスプレーノズルを設置し、これによりコーティング液を噴霧してコーティングします。ローターと壁面とのスリットからエアを送りこみ、コーティングと同時に乾燥し、さらに上部からも乾燥エアを送り込み、乾燥を行います。核粒子を転動させながらコーティングするため、効率よく均一にコーティングすることができます。さらに、コーティング液だけでなく、必要に応じて粉末を噴霧することもできるため、コーティング速度を加速することができます。

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